近年の健康志向の高まりにより、主食のお米についても玄米に変えたという方も多いのではないでしょうか。「玄米は健康のために食べたほうがいい」「モデルさんは玄米を食べている人が多い」など、様々な情報から玄米を食べ始めた方もいると思いますが、具体的にはどのような点に玄米を食べるメリットがあるのでしょうか?
そもそも玄米とはどのようなものなのか、玄米を食べるメリットやデメリット、美味しく食べる方法について、お伝えしていきます。
玄米とは?
玄米は、そもそもどのような状態になっているものかご存知ですか?
稲の実からもみ殻だけを取り除き、ぬかや胚芽が残った状態のものが玄米です。
それに対して、白米はもみ殻、ぬか、胚芽を取り除いたものとなります。
ぬかや胚芽の中には多くの栄養分が含まれており、玄米の方が体に良いと言われるのはこのためです。
玄米は白米と比較すると、食物繊維、たんぱく質、ビタミンB群、カルシウム、ミネラルなどが多く含まれていることが特徴です。
玄米に似たお米もあります。発芽玄米は、玄米に水分を与えて少し発芽させた状態のもので、GABA(ギャバ)というストレス軽減の効果が期待できる成分や、食物繊維、マグネシウムなどが玄米よりも豊富に含まれていることがわかっています。
また、分づき米と呼ばれるものもあり、これは玄米と白米の間の状態のもので、ぬかと胚芽を精米時に残したものを指しています。3分づき、5分づき、7分づき、などの種類があり、3分づきが玄米に近く、7分づきが白米に近い状態のものとなります。
玄米を食べるメリット
玄米は体に良いと聞いたことはあるけど、どうして良いか詳しくは分からない、という方も多いでしょう。なぜ健康のために良いのか、具体的に玄米を食べるメリットについて見ていきます。
食物繊維やビタミン・ミネラルなどの栄養素を多く含む
玄米には白米と比べて多くの栄養素が含まれています。
食物繊維は白米の約5倍、ビタミンB1は8倍、ビタミンB6は10.5倍、ナイアシンは14.5倍も含まれています。
日本人は1日あたりおよそ5gの食物繊維が不足していると言われていますが、白米を玄米に変えて3食摂ることで解消可能です。
また、ビタミンやミネラルも不足しがちな人が多いとされています。美容のため、また体づくりのためにも必要不可欠な栄養素ですのでしっかりと摂取する必要があります。
普段の食生活の中で不足しがちな栄養素を、効率よく摂取できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
体型管理に繋がる
とある研究によると、玄米食を取ることで体重管理に役立ったというデータや、脂質の多い食事を好まなくなったという結果が出ています。
脂質量を減らしたい方、体型の管理を行う方には、積極的に摂取していただきたい食品です。
血糖値の上昇を抑える
玄米は白米と比較して糖の吸収が緩やかで、GI値(※)も玄米の方が低いです。GI値が低い食品を摂ることで一気に血糖値が上昇することも防げますので、糖尿病の方や血糖値が気になる方でも安心です。
※食後血糖値の上昇度を示す指数。GI値が高いほど血糖値が急上昇します。
注目の健康成分が含まれている
玄米には様々な効果が期待できることから、世界中で様々な研究も行われています。近年では玄米には注目の健康成分が含まれていることも明らかになってきており、GABAの他にも認知症予防に効果があると言われるフェルラ酸、強い抗酸化作用があるIP6(イノシトール6リン酸)といった、注目を集める成分が含まれていることがわかってきています。
玄米を食べるデメリット
ここまで玄米のメリットについてお伝えしてきましたが、デメリットもあります。
食物繊維が多く含まれている点はメリットでもありますが、胃腸が弱い方や消化力が低下している高齢者などは、逆に胃腸の負担になってしまいます。消化しやすくするためによく噛んで食べる必要がありますが、それが難しい場合は分づき米にするなど工夫をしましょう。
また、米のぬかには農薬が残りやすいことから、精米されている白米と比べて残留農薬の心配があります。有機JASマークがついており、かつ農薬未使用の玄米は安心して食べられるでしょう。また、加工食品は一般的に、加工工程を経るごとに残留農薬が減っていくと言われているので、玄米が原材料の加工食品を選ぶことも安心に繋がるかもしれません。
他にも、体に合わなくはないけれども玄米が苦手という声もよく耳にします。そういった方は、分づき米を食べるところからスタートしていくことがおすすめです。また、炊飯方法によって食感も異なるため、食べやすい方法も見つけてみましょう。
また、レンジで温めて簡単に食べられるパックの玄米も販売されています。そういったアイテムも活用しながら、チャレンジしてみることもおすすめです。
美味しく玄米を食べるコツ
玄米と白米では少し食べ方が異なります。ポイントを押さえて、玄米を美味しくいただきましょう。
研ぎ方のコツですが、2、3回軽く水で流した後に、もみ洗いをしましょう。両手でこすりあわせるようにお米を洗うことで、表面に傷がつき水が吸収しやすくなるためです。
また、美味しく玄米を炊くポイントも押さえておきましょう。炊飯器に玄米モードが搭載されているものもありますので、その場合は玄米モードを選択しましょう。
玄米モードがないという場合でも、二度炊きすることで美味しくいただくことができます。さらに土鍋だとさっぱりと、圧力鍋だともっちりとした食感に炊き上がりますので、好みの炊き方で楽しんでみてはいかがでしょうか。
やっぱり玄米は体に良い!
ここまで玄米について詳しくお伝えしてきました。そもそも玄米は白米のように精米していない分、様々な栄養素が削ぎ落とされていない状態のお米です。そのため、食物繊維やビタミン・ミネラルをはじめとする注目の栄養素を多く含み、脂質や糖質が気になる方にもメリットの多い食材と言えます。
一方で、食物繊維の豊富さから消化機能に不安のある方は配慮が必要であったり、残留農薬についても留意する必要があります。ですが、これらのデメリットさえしっかりと把握しておけば、非常にメリットの多い食材でもあります。
手軽に玄米を食べることができる商品も多く販売されていますので、生活の中に玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか。